持続化補助金・様式2「業務効率化(生産性向上)の取組内容」書き方

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岡本 健太

障がい福祉専門の行政書士。神奈川県庁で許認可審査・補助金審査をしていた経験を生かし、指定申請のみならず、補助金・経費削減といったお金周りのサポートもしている。「理念と経営を両立させた福祉事業所を1つでも多くサポートする事」がミッション。著書に、中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本(セルバ出版)がある。

こんにちは!

行政書士の岡本です。

今回は、

持続化補助金・様式2「業務効率化(生産性向上)の取組内容」書き方

こういったテーマでお話をしていきます。

今回の記事の内容は、

・関連する審査項目

・3つの記載すべき事項

①現在の課題→目指す方向性

②現状分析→解決策

③IT化による生産性向上

・注意点(人件費削減はNG)

こういった構成になっています。

持続化補助金・様式2「業務効率化(生産性向上)の取組内容」書き方

任意記入だが書いたほうがよい項目

「業務効率化」については、書かなくても一発アウトになるわけではありません。

なぜなら、持続化補助金は「販路開拓がメインの補助金」なので、販路開拓について書いてあれば要件的には問題ないからです。

とはいえ、実際は、「業務効率化」についても書いておくことをおすすめします。

なぜなら、その方が審査が通りやすいからです。

ですので、「販路開拓+業務効率化」というセットで申請することをおすすめします。

具体的には、

全国展開のためにWEB事業をたちあげる(販路開拓)。

そのため、総務・経理部門2人の内から1人を異動させる必要がある。

その結果、総務・経理部門を1人で回すこととなる。

そこで、新たな労務管理システムを導入して業務効率化を図り、1人でも業務をこなさるようにする(業務効率化)。

このように、「販路開拓+業務効率化」をセットにして書かれることをおすすめします。

業務効率化の2パターン

ちなみに、業務効率化に関しては、

・補助金を使って業務を効率化するパターン

・補助金を使わずに業務を効率化するパターン

の2パターンがあります。

補助金を使って業務を効率化するパターン

業務効率化システムを購入し効率化を図るパターン

持続化補助金では、機械装置等費として、

・労務管理システム

・在庫管理システム

・POSシステム

こういった特定業務用のソフトウェアの購入は補助対象になっています。

ですので、「このシステムを買うと自社の業務がどのように効率化されるのか」といった事を具体的に書ければ補助金を使用することも可能です。

補助金を使わずに業務を効率化するパターン

社内業務を見直し生産性を上げる

補助金を使わなくても業務効率化はできます。

例えば、

・ベテランのスキルをマニュアル化し新人でも効率的に処理できるようにする

・整理整頓を徹底し、「物を探す」といった無駄な時間を排除する

こういった事も立派な業務効率化です。

ですので、

「うちは販路開拓のためのWEBサイト作りに補助金使っちゃうから業務効率化には補助金使えないなー」

「だから、業務効率化の欄は書かなくてもいいかな」

ではなく、

「販路開拓のためのWEBサイト作りに補助金は使うが、スタッフの業務効率を改善しないと、WEBサイトの運用ができないため、業務フローを見直し、マニュアル化を図る」

このように、「補助金を使わなくてもできる業務効率化施策」をいれることで、より説得的な申請書が作れます。

関連する審査項目

補助金に通るためには、審査項目をおさえておく必要があります。

「業務効率化(生産性向上)の取組内容」に関わる審査項目としては、

【Ⅱ加点審査】

③補助事業計画の有効性

・補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性がたかいものとなっているか

地道な販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか

・補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか

・補助事業計画には、ITを有効に活用する取り組みが見られるか

④事業費の透明・適切性

こういった辺りになります。

記載すべき事項3つ

「業務効率化(生産性向上)の取組内容」では、

①現在の課題→目指す方向性

②現状分析→解決策

③IT化による生産性向上

こういった事を書きましょう。

①現在の課題→目指す方向性

いきなり業務効率化施策を書かない!

補助事業計画の欄に、

「〇〇システムを入れて業務効率化します!」

といきなり書かれる人がいます。

たしかに、これも間違いではありません。

ですが、説得力の観点からだと、微妙といえます。

なぜなら、

・自社の課題をあげる

課題解決のための方向性をしめす

実際に課題解決のためにやった施策をしめす

・やってみたがまだ不十分なので補助金を使って課題を解決したい

こういった論理展開をしたほうが、審査員への説得力が増し、補助金に採択される可能性があがるからです。

ですので、例えば、

ランチタイムのお客さんが少ない(現在の課題

ランチタイムにママさんが来れるようなメニューを設置(目指す方向性

ランチタイムにママさんは増えたがベビーカースペースがなく、小さな子連れママが入れなかったことがあった(実行してみての課題

補助金を使って、ベビーカースペースが確保できるよう店舗を改築したい。

その際、ウェイターの配膳効率が落ちないよう、導線も確保したい(業務効率化

こういった流れで書いたほうが、申請書に説得力が増します。

②現状分析→解決策

何でもかんでも補助金頼りはよくない

「補助事業計画なんだから補助金使って何するかだけ書けばいいんでしょ」

といった事を言われる方がいます。

これは別に、間違っているわけではありません。

ですが、ただ「補助金を何に使うか」だけ書いていると、「とにかく補助金がほしい!」みたいな感じになり、審査員の印象を損なう可能性があります。

というのも、補助金は、「補助」という言葉が示すように、サブ的な存在

あくまでも主役は、「あなたの会社の取組」です

つまり、

自社はこういったお客さんにも販路を拡大していきたいので、〇〇な施策を実施してきた。

3か月くらいやってきたが、〇〇な良い面がある一方、××な課題もあった。

そこで、この課題を解決するため、持続化補助金を使わせていただき、××な課題を解決していきたい

この様に書けば、

主役:会社の取組

サブ:補助金

といった本来あるべき姿にそった形になります。

ですので、例えば、飲食店なら、

ランチでママさん顧客を増やしたい

そのため、ファミリー向けマンションへのポスティングを実施してきた

配り始めてから3か月くらいたったので、ランチにママさんが増えてきた

ただし、店内にベビーカースペースがない関係で、「小さな子を連れたママの入店を遠慮してもらったケース」が3件発生した

そこで、今回の補助事業により、店舗を増改築して、ベビーカースペースを確保するとともに、店内にベビーカーがあってもウェイターの業務効率が損なわれないような導線確保、整理スペース整備にも取り組みたい

こういった「現状分析→解決策」の流れで書いたほうが、

主役:会社の取組

サブ:補助金

といった本来あるべき関係性が際立ち、説得力がでて、採択に近づきます。

③IT化による生産性向上

IT化は書いておいたほうが良い

業務を効率化するためには、必ずしもITツールが必要なわけではありません。

日ごろから整理整頓をこころがけ物を探す時間を削る

これも立派な業務効率化ですが、別にITがなくてもできてしまいます。

ですが、「持続化補助金に採択される」といった観点だと、IT化は触れておいたほうが良いです。

なぜなら、審査項目として点数がふられているからです。

ですので、例えば、

・整理整頓のために物の置き場をきめる

決めた内容を動画で撮影し、ベテランスタッフの解説を入れる(IT利用

新規スタッフは動画を見て整理整頓のルールを学べる

教育コストが下がり業務効率化につなげられる

こういった「チョットしたITを使った工夫」だけでも、十分「IT化による生産性向上」といえます

ですので、

「うちがやる業務効率化はITにつなげられないか?」

と考えてみて、申請書に記載することをお勧めします。

注意点

「人件費削減」はNGワード

「業務効率化」という言葉を聞くと、

ITによる業務を効率化して人件費削減を進め、会社の利益を確保します

こういった方向で書かれる方がいます。

「会社経営」という観点から言うと、これは間違っていません。

ですが、「小規模事業者持続化補助金に通る」といった観点だと、人件費削減はNGです。

なぜなら、持続化補助金の考え方のベースに、

「生産性を向上させて従業員の雇用を安定化させる」

といった思想が存在しているからです。

つまり、国は、

販路を開拓したり、業務を効率化したりして生産性は向上させてください。

その結果、地域の雇用を増やしてください

こういった思想をもっています。

ですので、

「業務を効率化して、人件費を削減する」

こういった論理展開をしてしまうと、

「雇用の安定化に貢献してない」

と判断され、補助金が通らなくなる可能性が出てくるのです。

ですので、業務効率化については、

・業務を効率化して新事業に人をまわす

・業務を効率化して働き方改革に貢献する

こういったポジティブな流れにもっていったほうが良いです。

まとめ

はい本日の記事は以上になります。

今日は、

・関連する審査項目

・3つの記載すべき事項

①現在の課題→目指す方向性

②現状分析→解決策

③IT化による生産性向上

・注意点(人件費削減はNG)

こういったお話をしてきました。

まとめると、

業務効率化は販路開拓とセットで記載したほうが良い

「業務効率化のため補助金で〇〇を買いたい」

といきなり書くのではなく、

①現在の課題→目指す方向性

②現状分析→解決策

こういった流れの中で、

「自社の事業課題を解決するために補助金が必要なんだ」

と説得的に訴える。

そして、

③IT化による生産性向上

には点数がふられているので、

「自社の業務効率化にITはからめられないか?」

を考え、ITによる業務効率化を記載する。

また、

「人件費削減はNGワード」

なので、

・業務を効率化して新事業に人をまわす

・業務を効率化して働き方改革に貢献する

こういったポジティブな流れで書いていく

この様な事をお伝えしました。

なお、実際に補助金を申請される場合は、必ず最新の公募要領をご確認いただき、不明な点は補助金の事務局にお問い合わせいただきますようお願いいたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました !