小規模事業者持続化補助金・経費支払い注意点【ミスると200万損】

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岡本 健太

障がい福祉専門の行政書士。神奈川県庁で許認可審査・補助金審査をしていた経験を生かし、指定申請のみならず、補助金・経費削減といったお金周りのサポートもしている。「理念と経営を両立させた福祉事業所を1つでも多くサポートする事」がミッション。著書に、中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本(セルバ出版)がある。

こんにちは!
行政書士の岡本です。

今回は、

小規模事業者持続化補助金・経費支払い注意点【ミスると200万損】

こういったテーマでお話をしていきます。

今回の記事の内容は、

①補助対象経費となるための3要件②支払いが1日ずれただけで200万円損する話

③発注が遅すぎて危ないケース

④支払い方法をミスすると補助金がもらえません

⑤ネット広告の注意点

こういった構成になっています。

小規模事業者持続化補助金・経費支払い注意点【ミスると150万損】

さっそく結論を言ってしまうと、

・補助金申請前に物を買った

・対象期間中に支払をしなかった

・決められた決済方法にしなかった(銀行振込が原則)

こういった事をすると、補助金がもらえません。

持続化補助金は、最大200万まで補助されます(※コロナ枠で特定の業種に限った場合)。

ですので、経費のミスひとつで、200万円損する可能性があるという事です。

①補助対象経費となるための3要件

まず、「①補助対象経費となるための3要件」という話をしたいと思います。

公募要領という補助金の正式な手引きには補助対象経費となるための条件が三つ書かれています。

1:使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費であること

2:交付決定日以降に発生対象期間中に支払いが完了した経費であること

3:証拠資料等によって支払い金額が確認できる経費であること

この三つになります。

ぱっと聞いただけじゃ「何言ってんの」って感じでよく分かりませんよね。

この中で特に注意が必要なのは、2つ目の要件と3つ目の要件

つまり、「経費の支払い時期」と「経費の証拠」についてです。

交付決定日以降に発生・対象期間中に支払いが完了

2つ目の要件は、「交付決定日以降に発生し対象期間中に支払いが完了した経費であること」というものです。

これはつまり、「補助金で買おうと思っている物を実際に買う時期や支払い時期は、補助対象期間中にお願いしますね」といったことを意味しています。

ですので、「補助金の申請前に買った物じゃダメ!」っていう事になります。

証拠資料等によって支払い金額を確認できる経費

3つ目の要件は、「証拠資料等によって支払い金額を確認できる経費であること」というものです。

これはつまり、「ちゃんと買ったかを証明できる決済方法にしてくださいね」ということを意味しています。

ですので、証拠がはっきり残る銀行振り込みが原則となります。

この2つの要件を押さえておかないと、150万円損することになりかねませんので、さらに詳しく解説していきます。

②支払いが1日ずれただけで200万円損する

次に「②支払いが1日ずれただけで200万円損する」に移りたいと思います。

これは、2つ目の要件である、「交付決定日以降に発生対象期間中に支払いが完了した経費であること」についての解説になります。

この要件は「補助金の支払いのタイミング」に関する話です。

もっとも間違いが多く、補助金をもらいそこねるポイントなので、ぜひ押さえておいてください。

そもそも補助金というのは、交付決定」という国のOKがでてから支出をしないともらえないお金です。

よく中小企業の社長さんから、「これ買ったんだけど、補助金おりない?」なんて話をされますか、それは基本的に NG です。

なぜなら、補助金というのはあくまでも、

・国から「そういう事業なら補助しますよ」といったお墨付きをもらう(交付決定)

・商品やサービスを自分自身のお金で買う(支出)

・国のチェックをうける(実績報告)

・国から商品代金の一部を補填される(入金)

こういった仕組みのものだからです。

ですので、例えば、ホームページを作ろうと思った場合、

国からのOKをもらう前に、発注をしてしまうと、それが例え1日前だったとしても、1円たりとも補助金はもらえない

こんな悲惨な結果になります。

つまり、新規開業の場合だと「100万円の補助金がまるまるもらえず損してしまう」ということになります。

こういった前提の上で、さらに、補助金には「細かいルール」があるんです。

補助金・「発注」「引き渡し」のルール

それは、「支払い」だけでなく、商品の「発注」「引き渡し」、さらには「実際の事業の実施」も補助金の交付決定から補助実施期間の間に行わなければならないというものです。

なぜなら、くり返しになりますが、補助金というのは、あくまでも「国のOKがでてから物を買い、国が定めた期間内に事業を実施し、国に報告をしなければいけないもの」だからです。

ですので、

・国のOKがでる前に買ってしまうのはダメですし、

・OKがでた後も、決められた期限までに発注物を納品してもらい、

・さらには、実際の販売促進活動も行う必要がある

こういった事になります。

③発注が遅すぎて危ないケース

次に、「③発注が遅すぎて危ないケース」について話を進めたいと思います。

これも、2番目の要件である「交付決定日以降に発生し対象期間中に支払いが完了した経費であること」という所に関連しています。

どういうことかといいますと、

例え発注自体は「交付決定」という「国のOK」がでた後だったとしても、実際の事業を期限までに終わらせないと補助金は出ませんよという話です。

具体例:ホームページ発注

具体例をあげて解説すると、例えば、新商品用のホームページの作成費用に補助金をつけるとしましょう。

この場合、まずは先に補助金を申請する必要があります。

補助金の申請前にホームページの発注をしたり、支払いをしてはダメです

あくまでも補助金申請が先。

ちなみに、「見積」は申請前に行っても大丈夫です。

なぜなら、見積もりがわからないと、必要な金額がわからず、補助金申請ができないからです。

その上で、「交付決定」という国からOKをもらう必要があります。

ちなみに、交付決定はだいたい申請の締め切り日の2か月後です。

そして、補助金の交付決定という国からのOKがでた後に、ホームページ作成会社に「発注」や「支払い」をする必要があります。

発注に関しては、交付決定をうけたら速やかに着手する必要があります。

なぜなら、事業実施期間という期限が決まっているからです。

つまり、補助金の交付決定後、事業実施期間という半年くらいの間に、商品の「発注」「支払い」「引き渡し」すべてを行う必要があります。

そのうえで、実際に納品されたホームページを公開し、販売促進活動に使っていく必要があります。

ここまでを、補助金の交付決定から事業実施期間という半年くらいの間におこなわなければなりません。

ちなみに、そもそも「ホームページの作成」は発注してすぐ出来るものではありません

作るページにもよりますが、細かいデザインの打ち合わせやエンジニアさんの作業時間がありますので、通常、数か月単位の時間が必要になります。

ですので、交付決定後速やかにホームページを発注しておかないと、期限内にホームページを公開するところまでもっていけなくなってしまうんです

④支払い方法をミスすると補助金がもらえません

それでは、「④支払い方法をミスすると補助金がもらえません」といったテーマに移りたいと思います。

これは、3番目の要件である「証拠資料等によって支払い金額が確認できる経費であること」についての解説になります。

この要件は要するに、経費の支払い方法に関するお話です。

で、結論としては補助金の支払いは「銀行振込」が大原則です。

なぜなら、補助金は税金から支出するものであるため、「何にいくら使ったの?」といった事実を証明する必要があり、銀行振込なら間違いなく証明できるからです。

こういった事から、

・10万円を超える現金の支払い

・手形や小切手

・相殺による支払い

こういった決済方法は認められません

ですので、こういった払い方をしてしまうと、補助金はもらえなくなってしまいます。

クレジットカードでの支払いは?

ここでよくある質問が「クレジットカードでの支払いはダメなの?」というもの。

結論としては、クレジットカードでの支払いでも補助対象期間中に引き落としが確認できるのであれば、認められます

なぜなら、クレジットカード会社の支払い履歴と銀行口座からの引き落とし履歴により、経費をつかったことが証明できるからです。

クレジットカードでの注意点

ただし、注意点もあります。

それは、

・銀行口座からの引き落とし補助対象期間中であること

分割払いにしたとしても、補助期間中に支払いが完了すること

こういった点に注意が必要です。

つまり、あくまでも分割だろうと一括だろうと、補助対象期間の間にカードの引き落としが行われる必要があるという事です。

それとクレジットーカードに関連する注意点がもう1つあります。

それは、ポイントでの支払いはNGということです。

なぜなら、補助金は「法定通貨」で支払うルールがあるからです。

ちなみに、法定通貨というのは日本円のことをいいます。

ですので、クレジットカードのポイントで支払いをしてしまうと、補助金はもらえなくなってしまいます

同じように、Tポイントとか、クーポン仮想通貨、こういった支払いも補助金はもらえなくなってしまいますので、ご注意ください。

⑤ネット広告の注意点

最後に、「⑤ネット広告の注意点」についてお話したいと思います。

持続化補助金は、販路開拓に関する補助金なので、「ネット広告をだしたい」と考えてる事業者さんも多いかと思います。

インターネット広告自体は、持続化補助金でも認められているのですが、経理処理に注意が必要です。

つまり、今日お話しした3つ目の要件である「証拠資料等によって金額が確認でであることであること」といった要件にひっかかるネット広告は、補助金をもらえないという事なんです。

ようするに、ネット広告だとしても、「仕様提示」「見積」「発注」「納品」「検収」「請求」「支払」といった流れで調達を行い、ちゃんと経費を使ったことが証明できなければならないという事なんです。

ですので、

・商品を発注した日が確認できる取引画面

・実際にネット広告が公開されているページ

これらを印刷し、証明する必要があるんです。

なので、いつ広告が掲載されていたかわからないといった形式のネット広告だと、持続化補助金は難しいという事になります。

ちなみに、グーグルのリスティング広告」「Youtube広告」は、今の運用だと補助をうけるのが、経理的に厳しいです。

というのも、

「請求明細」ひとつをとっても、

「補助対象外の広告」と「補助対象事業の広告」の請求を分け

それがわかる管理画面が必須

こういった細かいルールがあります。

定められた経理処理を全て満たさないことには、補助金はもらえません。

なお、この点に関しましては、補助金の公式サイトにも説明がありますので、興味のある方はご確認ください。

まとめ

はい本日の記事は以上になります。

今日は、

①補助対象経費となるための3要件

②支払いが1日ずれただけで200万円損する話

③発注が遅すぎて危ないケース

④支払い方法をミスすると補助金がもらえません

⑤ネット広告の注意点

こういったお話をしてきました。

補助金の経費処理において、

・補助金申請前に物を買った

・対象期間中に支払をしなかった

・決められた決済方法にしなかった(銀行振込が原則)

こういった事をすると、補助金がもらえなくなる可能性があります。

経費のミスひとつで、200万円損する可能性があるという事です。

なお、実際に補助金を申請される場合は、必ず最新の公募要領をご確認いただき、不明な点は補助金の事務局にお問い合わせいただきますようお願いいたします

最後までお読みいただき、ありがとうございました !