【2022年版】就労移行支援事業所の人員配置とは?

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岡本 健太

岡本 健太

県庁出身の行政書士・採用定着士。児童発達支援事業所利用者の保護者でもある。福祉の採用定着問題を解決し、「利用者の満足度アップ」「スタッフの待遇の向上・福祉の質の向上」「経営の黒字化」という福祉版「三方良し」を達成する事がミッション。著書に、中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本(セルバ出版)がある。

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第1章:福祉人材の採用がより厳しくなっていく理由

・2040年の成人は2000年から80万人減る
・社員300人未満の中小企業の採用は厳しい
・コロナ後でもリーマンショック後の2.5倍の求人数がある
・報酬改定により人員配置が厳しくなっている
・障がい福祉事業所数(採用のライバル)は増えている
・課題を解決すれば定着人材は採用できる

第2章:「採用コストが高い」の解決策

・ハローワークで人が集まらない理由
・「人材紹介」と「求人広告」は高い
・一番求人が集めやすい媒体は〇〇
・いま注目を集めているのが「オウンドメディアリクルーティング」
・Indeedは無料掲載もできるが、細かい掲載基準のクリアが必要

第3章:「応募がこない」の解決策

・知らない会社には応募しようがない
・「検索結果=競合先(採用のライバル)」であると認識すべき
・漠然と「いい人が欲しい」では集まらない。ペルソナ設定をすべき!
・採用ペルソナ(どんな人がほしいか)の設定手順
・求人票は「求職者との最初の出会い」
・「急募」とか書いてませんか?「求職者目線」が大事な理由
・応募が集まる求人原稿テンプレート
・求人原稿のポイント①とにかく具体的に!
・求人原稿のポイント②検索されるキーワードをいれこむ
・求人原稿のポイント③「Why」から始め心を動かす

第4章:「面接にきてもらえない」の解決策

・応募がきたら〇分以内に電話すべし!
・電話がつながらなかった時の効果的な対策
・電話もショートメールも連絡が取れない場合の対処法
・再度の電話がかかりやすい時間
・人材紹介会社が当たり前にやっている「掘り起こし」もやるべき
・応募者がきてくれる面接日程とは
・面接の案内状を送付しよう
・面接のリマインドは〇日前にすると効果的
・面接当日、5分前に応募者が到着しなかったら電話しよう
・面接会場をわかりやすくしておく
・既存のスタッフも歓迎ムード迎える
・面接会場も整えておく(特に電気やクーラー)
・面接まで少し待たせてしまう場合用に事業所のパンフレット等を置いておく
・応募者に飲み物をだす

第5章:「面接のやり方がわからない」の解決策

・面接は異常な空間であることをまずは認識しよう
・面接官も身なりを整えるのがマナー
・「圧迫面接」は昭和の価値観・令和は「ファン化面接」
・応募者をファンにする面接の流れ
・面接1回でその場で内定をだすのはNG!別日に条件面談を行う
・面接を2回にわけて行う場合
・東証1部上場企業もやっている!面接後のフォロー方法
・結果を伝えるタイミングと見送る際の気配り

第6章:「内定を辞退される」の解決策

・結果は早く伝える。でも「内定」とは言わない
・条件面談を行う
・「いつまでも待ちます」はNG!正しい内定の出し方
・在職者に内定を出すときに必ずやるべきフォローとは
・サビ菅・児発管に内定を出すときの注意点

第7章:「すぐに辞めてしまう」の解決策

・新入社員をフォローすべき4つのタイミング
・入社初日にすべきフォロー
・最初の休日前にすべきフォロー
・入社1か月目にすべきフォロー
・入社3か月目にすべきフォロー
・新人は「ほめる」事が定着への近道

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就労移行支援事業所の人員配置

職種配置人数
管理者1人以上
サービス管理責任者1人以上
就労支援員常勤換算で「15:1」以上
職業指導員1人以上/職業指導員と生活支援員の合計が常勤換算で「6:1」以上
生活支援員1人以上/職業指導員と生活支援員の合計が常勤換算で「6:1」以上

職種の説明

管理者

事業所を管理統括する。スタッフの管理や外部との連絡調整、利用申し込みの調整等、事業所の管理業務を担う

・事業所ごとに1人以上配置

・資格は不要

・常勤性は必要ない

専従性

原則として、専従(専ら管理業務に従事)

ただし、管理運営上支障がない場合は、「当該事業所の他の職務に従事することは可能」「同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事する事も可能」。そのため、他の職種との兼務も可能(例:管理者兼サービス管理責任者、管理者兼生活支援員)

サービス管理責任者

利用者の意向をふまえ「個別支援計画」を作成する等、支援に関して中心的な役割を担う

・事業所ごとに1人以上配置

・資格だけでなく、実務要件、研修要件が必要

・1人以上は「常勤かつ専任」である事が必要

・利用者数が60名を超えると40名ごとに1人追加で配置する

就労支援員

利用者に対し、就職活動や職場定着のための支援を行う従業者

・常勤換算で「15:1」以上

・資格は不要

職業指導員

利用者に対し、就労に必要な技術習得のための訓練等を行う従業者

・事業所ごとに1人以上配置

・さらに生活支援員との合計が常勤換算で「6:1」以上

・資格は不要

生活支援員

利用者に対し、日常生活の支援を行う従業者

・事業所ごとに1人以上配置

・さらに職業指導員との合計が常勤換算で「6:1」以上

・資格は不要

用語の説明

常勤

事業所における勤務時間が、事業所等において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していること

労働時間が週32時間を下回る場合の取り扱い

1週間に勤務すべき時間数が32時間を下回る場合は32時間を基本とします

⇒「常勤」といえる週の労働時間は「32時間~40時間(労働基準法の法定労働時間)」ということ。

※勤務時間数は就業規則等とも合わせる必要があります

併設事業所における他の職務の取り扱い

当該事業所に併設される事業所の職務であって、当該事業所の職務と同時並行的に行われることが差し支えないと考えられるものについては、それぞれの勤務時間の合計が常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していれば、常勤要件を満たす。

専従

サービス提供の時間帯に、他の障がい福祉サービスの職務に従事しないこと

なお、ここでいう「サービス提供時間」とは、障がい福祉サービス事業所等における勤務時間をいいます。

常勤・非常勤とは別の概念になります。

ちなみに、「専従」の反対語は「兼務」になります。

必要な人数は前年度の平均利用者数で変化する

必要な配置数は前年度の平均利用者数によって変化します。

必要人数が割り切れなかった場合には小数点第2位を切り捨てます。

前年度の平均利用者数10人

管理者:1人以上

サービス管理責任者:1人以上

就労支援員:0.6人以上

職業指導員・生活支援員:各1人以上

前年度の平均利用者数30人

管理者:1人以上

サービス管理責任者:1人以上

就労支援員:2人以上

職業指導員・生活支援員:各1人以上で合計5人以上

前年度の平均利用者数70人

管理者:1人以上

サービス管理責任者:2人以上

就労支援員:4.6人以上

職業指導員・生活支援員:各1人以上で合計11.6人以上

新規開業時の人員配置

前年度の利用事績が無い事業所は推定値等から配置人数を計算します。

開業後6か月まで

利用定員の90%を利用人数とみなします。

計算式は以下の通りです。

「利用人数=利用定員×0.9」

開業後7か月から12か月まで

直近6か月間の平均値を利用人数とみなします。

計算式は以下の通りです。

「利用人数=直近6か月間の合計利用人数÷直近6か月間の開所日数」

開業後13か月から年度実績ができるまで

直近12か月間の平均値を利用人数とみなします。

計算式は以下の通りです。

「利用人数=直近12か月間の合計利用人数÷直近12か月間の開所日数」

定員を増加した場合の利用人数の考え方

定員増加後の暫定利用人数から配置人数を計算します。

定員増加後6か月目まで

前年度の平均利用人数に定員増加数の90%を加えた人数を利用人数とみなします。

計算式は以下の通りです。

「利用人数=前年度の平均利用人数+定員増加人数×0.9」

開業後7か月目から12か月目まで

直近6か月間の平均値を利用人数とみなします。

計算式は以下の通りです。

「利用人数=直近6か月間の合計利用人数÷直近6か月間の開所日数」

開業後13か月目から年度実績ができるまで

直近12か月間の平均値を利用人数とみなします。

計算式は以下の通りです。

「利用人数=直近12か月間の合計利用人数÷直近12か月間の開所日数」

定員を減少した場合の利用人数の考え方

前年度の実績と定員減少後の暫定利用人数から配置人数を計算します。

定員減少後3か月目まで

前年度の平均利用人数をそのまま利用人数とみなします。

計算式は以下の通りです。

「利用人数=前年度の平均利用人数」

開業後4か月目から年度実績ができるまで

直近3か月間の平均値を利用人数とみなします。

計算式は以下の通りです。

「利用人数=直近3か月間の合計利用人数÷直近3か月間の開所日数」

多機能型における人員配置

サービス管理責任者以外は、各事業の利用人員に応じた人員配置を行います。

サービス管理責任者は、事業全体の合計利用人数に応じて配置します。

サービス提供時間(営業時間)が8時間を超える場合の人員配置(残業と人員配置)

残業を前提とした人員配置はNG

サービス提供時間は、労働基準法に準拠する必要があります。

そのため、常勤職員とはいえ、「週5日・40時間」で人員配置を組むことになります。

ちなみに、もしサービス提供時間を8時間超で設定する場合は、追加で別の人員を雇用する必要があります。

送迎のため外出をしている時の人員配置

送迎の業務が発生する場合でも、人員配置は割ってはならない

ボランティアと人員配置

ボランティアは人員配置の数にカウントできない

サービス管理責任者が直接支援する場合の人員配置

サービス管理責任者は職業指導員などの直接処遇職員の業務を兼務することはできません。

手伝いを行うことは可能ですが、勤務としては扱われないため人員配置には含まれません。

人員配置が不足した場合の対応

人員配置欠如減算を行う必要がある。それをしないと過誤請求となる。

なお、人員配置基準を満たさない状況を続けると、指定取り消しの対象となります。