【第1回】介護・障がい者施設の採用がより難しくなっていく理由

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岡本 健太

県庁出身の採用定着士・行政書士。児童発達支援事業所利用者の保護者でもある。福祉の採用定着問題を解決し、「利用者の満足度アップ」「スタッフの待遇の向上・福祉の質の向上」「経営の黒字化」という福祉版「三方良し」を達成する事がミッション。著書に、中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本(セルバ出版)がある。

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2040年の成人は2000年から80万人減る

突然ですが、問題です。2040年の成人の数はご存じですか?

答えは、83万人以下です。

なぜなら、2020年の出生数が83万人と確定したため、20年後の2040年の成人数は、83万人以下となることが確定したからです。

ちなみに、2020年成人数は、122万人です。

そして、20年前の2000年成人数は、164万人です。

つまり、この20年間で40万人以上の成人が減り(単年度)、次の20年後には、更に40万人減る(単年度)ということです。

このように労働人口は明らかに減っています。

ちなみに、次のグラフが労働人口の推移になります。

引用元:厚生労働省「労働市場における雇用仲介の現状について」

社員300人未満の中小企業の採用は厳しい

コロナ前は、採用に困っている企業がとにかく多く、「人手不足倒産」という言葉もよく聞かれました。

とりわけ、社員300人未満の中小企業は、採用活動にものすごく苦戦を強いられていました。

現に、リクルートワークス研究所によると、2020年の新卒採用において、従業員5000人以上の大企業の求人倍率が0.42倍なのに対し、従業員300人未満の中小企業の求人倍率は8.62倍という結果となっていました。

コロナ後でもリーマンショック後の2.5倍の求人数がある

でもコロナがあったから、今はもう採用に困らないでしょ?なんて思うかもしれませんが、実はそんなことはありません。

なぜなら、コロナの2020年11月の求人倍率でも1.06倍もあるからです。これは、リーマンショック後の求人倍率0.42(2009年8月)と比べると、2.5倍も高い求人倍率になります。

つまり、新型コロナウイルスの影響で、ホテルや飲食などの求人は減っているものの、全体としての求人は依然として多いということです。

そして、コロナの見通しがたった際には、求人が一気に増えることが予想され、人材の取り合い合戦がまた始まるということです。

報酬改定により人員配置が厳しくなっている

引用元:厚生労働省 令和3年度障がい福祉サービス等報酬改定における主な改定内容

令和3年の報酬改定では、放課後等デイサービスにおいて、障害福祉サービス経験者(就労継続支援B型等の大人の障がい福祉サービスの実務経験者)の配置が不可となりました。その結果、放課後等デイサービスの人員配置においては保育士・児童指導員といった有資格者の雇用が必須となりました。

また、放課後等デイサービスにおいては、加算の要件も厳しくなりました。具体的には、理学療法士や作業療法士等の専門職を雇用しないと、加算がとりにくい制度改正が行われました。

このように、年々、人員配置は厳しくなり、有資格者の雇用が求められる傾向にあります。

そして、この傾向は今後も続くものと考えられます。

なぜなら、行政側は「福祉の質の向上」を常に考えているところ、サービス内容自体を精査する事は難しいため、「有資格者の配置」といった形式面で「福祉の質」を担保しようとする傾向にあるからです。

障がい福祉事業所数(採用のライバル)は増えている

障がい福祉サービスの事業所数は、年々増加をしています。

具体的には、平成26年度の段階で全国約86,000事業所であったのが、平成30年度においては全国約116,000事業所まで拡大しています。

特に、就労継続支援B型放課後等デイサービスの増加が著しいです。

これは、収支差率(利益率)が、就労継続支援B型・放課後等デイサービスが約10%と高く(障がい福祉サービスの平均値は5.9%)、新規参入が相次いだことによります。

なお、こういった背景もあり、放課後等デイサービスにおいては、報酬改定において厳しい措置(専門職の雇用をしないと加算しない、人員配置は保育士or児童指導員)がなされたものと考えられます。

引用元:厚生労働省「障がい福祉分野の最近の動向 令和2年2月4日会議資料」

上記の厚生労働省の資料(事業所数の推移)にあるように、障がい福祉事業所数は年々増加傾向にあり、今後も事業所の増加が予想されます。

これは、人材採用面で言うと、競合が増えるという事を意味します。

以上のように、「少子化」「人員配置の厳格化(有資格者の配置)」「事業所(採用のライバル)の増加」といった事情を踏まえると、人材の採用定着に全力で取り組まない限り、今後、障がい福祉事業の継続は難しくなっていくでしょう

課題を解決すれば定着人材は採用できる

私は一般社団法人採用定着支援協会(社会保険労務士を中心とした採用のプロフェッショナルが集まる組織)に所属しています。日々、採用の成功事例を全国の先生方と共有していますが、一般的に不人気とされる介護福祉分野でも「1週間で10名の応募を集めた」といった事例はたくさんあります。

もっとも、それらの事業所も、いきなり定着人材を確保できるようになったわけじゃありません。以下のような課題を一つ一つ解決していくことで、たくさんの応募が集まり、自社にフィットする人材を選べるようになりました。

まとめ

【福祉人材の採用は今後より厳しくなっていく】

理由①:少子化:2000年の成人:164万人→2040年の成人:83万人以下

理由②:300人未満の中小企業は採用しにくい

2020年の新卒求人倍率:大企業0.42倍、中小企業(300人未満)8.62倍

理由③:コロナ後でも求人倍率はリーマン後の2.5倍もある

理由④:報酬改定で人員配置が厳しくなっている

※放デイでの障害福祉サービス経験者配置が不可になった

※サビ菅、児発管の研修要件が厳しくなった  

理由⑤:障害福祉事業所数(求人のライバル)は増加

・平成26年:8万6千社→平成30年:11万6千社 ※今も増加中

でも、採用を工夫している事業所は、介護福祉業界でも、

「1週間で10名の募集を集めて、自社にフィットする人を選んでいる」