【第5回】効果的な採用面接の方法|面接のやり方がわかる!

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岡本 健太

県庁出身の採用定着士・行政書士。児童発達支援事業所利用者の保護者でもある。福祉の採用定着問題を解決し、「利用者の満足度アップ」「スタッフの待遇の向上・福祉の質の向上」「経営の黒字化」という福祉版「三方良し」を達成する事がミッション。著書に、中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本(セルバ出版)がある。

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面接は異常な空間であることをまずは認識しよう

面接は本当に異常な空間です。

なぜなら、「全く知らない所に1人で乗り込んでいって、自分の経歴などを見ず知らずの人にさらけ出し、自身を売り込む」なんて事をするのは、日常生活ではありえいないからです。

だからこそ、事業所側としては、「応募者の緊張をやわらげ、少しでも普通の状態で面接をしてもらおう」という努力をすべきです。

なぜなら、そうすることで、応募者の素がわかり、事業所側と求職者とのギャップをうめられ、ミスマッチによる早期離職を防げるからです。

この章では、そのための対策を説明していきます。

面接官も身なりを整えるのがマナー

正社員の面接であれば、応募者はスーツで来るケースが多いでしょう。

その場合、面接官が事業所のユニフォームで対応するのは、本来失礼であり、マナー的には望ましくありません。

もし、時間的にポロシャツなどのユニフォームで対応するようであれば、「利用者さんが来る時間が近いのと、通常働いている様子も見てもらいたいので、こういった服装で面接をさせていただきます。ご了承ください」と一言ことわってから、面接を始めるべきです。

スーツで対応しないことが福祉業界では普通かもしれませんが、求職者側は、色んな業界と天秤にかけて仕事を探していたりします。

例えば、教員免許をもってる児童指導員であれば、塾などスーツが当たり前の業界との取り合いになっているかもしれません。

だからこそ、一般的なマナーにあわせ、面接にはスーツで対応する。もしそれが難しいようであれば、一言、応募者にことわりをいれるようにしましょう。

「圧迫面接」は昭和の価値観・令和は「ファン化面接」

圧迫面接がNGな理由

「応募者の本性をあばくためにちょっとプレッシャーをかけてみよう」といった圧迫面接は、昭和の遺物です。

なぜなら、今は人手不足の時代なので、そんなことしたら人は来てくれませんし、事業所に悪い評判がたつからです。

こういう事をいうと「でもそれじゃ、トラブル対応力やストレス耐性がわからないじゃないか」なんて思うかもしれません。

そういったものに関しては、ストレス耐性テスト等を利用して対応するようにしましょう。「不適性検査スカウター」等、色んなツールが販売されています。

そういったツールを使わず、圧迫面接で乗り切ろうとすると、「あそこは嫌な事業所だ」といった悪評がたち、今後の採用や利用者集めに支障がでかねません。

特に、障がい福祉業界は横のつながりも強い狭い世界ですので、くれぐれも注意するようにしましょう。

令和の時代は「ファン化面接」

令和の時代は「ファン化面接」をするようにしましょう。これは文字通り、面接をした応募者が、(合格しようがしまいが)、ファンになってもらえるような面接をするという意味になります。

なぜ、ファン化面接が必要かというと、面接は口コミで広まるからです。

というのも、面接後って緊張が一気にゆるみますよね?

そうなると、誰かに話したくなりませんか?

・家帰って家族に「今日の〇〇事業所の面接がさ~」

・友達に電話で「今日〇〇事業所の面接行ってきたんだけどさ~」

といったように人間は緊張後の反動で、口コミをする生き物なんです。

しかも今の時代、拡散性が強いTwitter等のSNSに書き込まれる可能性もあります

そうなると、面接の口コミは一気に広まります。

変な書き込みが拡散されようもんなら、次の応募者の採用に苦戦することは間違いありません。

特に、障がい福祉業界は狭い世界です。有資格者同士で地元の事業所の評判を情報交換する機会もたくさんあります。

ですので、悪評が地元関係者に広まり、「相談支援機関に利用者を紹介してもらえなくなった」「有資格者の応募者がパタッと来なくなった」といったことにだってなりかねません。

だからこそ、ファン化面接をしっかりして、「落ちようが受かろうが、面接をした人は事業所のファンになって帰ってもらう」というスタンスにしましょう。

応募者をファンにする面接の流れ

あたなは「面接の練習」はしたことがありますか?

「面接の練習なんてやったことないよ」といった方は結構多いです。

ですが、面接の練習をすることなく、進行方法も決めずに、なんとなーく面接をやっていたのでは、良い人に来てもらう事はできません。

ここでは、面接者に「ここで仕事がしたい!」と思わせる面接の流れについて解説していきます。

ちなみに、大体60分くらいのシナリオになっています。

①アイスブレイク

アイスブレイクというのは、緊張をほぐすための時間のことを言います。

「今日は暑いですね。駅から遠かったでしょう」 「結構、道がわかりにくかったと思うのですが、大丈夫でしたか?」

「そちらのお茶を飲んでいただいて構いませんので、いったんリラックスしましょうか?」

こういった話をして、異様な空間である面接の場を少しでも、和ませるようにしましょう。

ちなみに、アイスブレイクの時間は3分くらいで構いません。

なお、アイスブレイクを勘違いして、

「私、面接はじめてなんですよね。さっき社長から急に「面接やれ」って言われましてね」

といった事を言う方がおられます。

ですが、こんな事を言っても「この会社大丈夫かな?」と思われるだけですし、何より応募者に失礼ですので、控えましょう。

②面接の流れの説明

面接の流れや所要時間ついて、2分くらいで簡単に説明しましょう。

その際、自社の面接で大切にしていることは何かという事を、しっかり伝えるようにしましょう。

例えば、「うちの面接は、面接官もきっちり自己紹介をさせていただき、お互いのビジョンを語り合い、マッチするかを見させてもらってます」という風に、自社の面接のやり方を具体的に伝えるようにしましょう。

③面接官の自己紹介

面接官についての情報を全く開示しない会社は多いです。

ですが、応募者が履歴から内面まで徹底的に開示しているのに、面接する側は「名前すらも言わない」というのは、不公平じゃないでしょうか?

面接には、相互理解をすることで雇用のミスマッチを防ぐという目的もあります。

であるからこそ、面接官側もしっかり自己開示をするようにしましょう。

【具体例】

私は教室長の鈴木と申します。こちらの事業所を運営する株式会社〇〇に入社し7年目となります。

事業所はここで3つ目になります。

もともと前職では、児童発達支援センターの方にいたのですが、相談業務が多く、もっと現場で支援したいという思いから、こちらの会社に転職しました。

今は、うちの会社の「日常に溶け込む福祉の実現」という理念を達成するべく、藤沢教室の教室長としてがんばっております。本日はよろしくお願いいたします。

ここでのポイントは、いかに熱く語れるかです。

なぜなら、ここで面接官がいかに熱く語れるかどうかで、この後、応募者も本気になって本音で話してくれるかどうかが変わってくるからです。

ですので、所要時間は10分を目途にきっちりとり、面接官全員が自己開示の上、思いを伝えるようにしましょう。

④事業所の説明・募集の背景の説明

事業所の理念や支援のスタンスをしっかり伝えるようにしましょう。

特に、福祉事業の場合、現場スタッフに「支援へのこだわり」がある場合も多いので、自社がどういったスタンスで福祉に取組、どういった支援を行っているのかということをきっちり説明しておかないと、後々、現場でトラブルになることが多いからです。

また、以下のような募集の背景や業務内容についても説明しておきましょう。

・どういった仕事をするのか

・なんで募集する事になったのか

・配属後はどういったことから始めて欲しいのか

なお、所要時間は10分くらいが目途となります。先ほどの面接官の自己紹介とあわせて、20分~30分をみておきましょう。

⑤事業所や募集の背景についての理解を応募者に確認

ここまで来ましたら、一度、応募者に質問をするようにしましょう。

具体的には、

「うちの事業所の仕事やスタンスについて、何か聞きたい事はありますか?」

といったような質問をふってみましょう。

こういった質問をする事で、自社の理念への理解を確認できますし、応募者の「質問力」もみることができます。

なお、時間は5分程度で構いません。

⑥応募者が求人に貢献できる理由を聞く

「今回の求人について、応募者がどういった点で貢献できるのか」について質問してみましょう。

中途採用であれば、今までの経験が具体的に職務にどう生きるのかを聞いてみましょう。

未経験や新卒採用の場合は、「やる気」といった気持ちの面で構わないので、「なんでうちの事業所で働くやる気があるのか?」という点について確認しましょう。

なお、所要時間は5分が目安となります。

⑦応募者のビジョンや目標を確認

応募者がどんなビジョンや目標をもっていて、なんで転職するのかについて聞いてみましょう。

中途採用者などは「青臭いし照れるな」といった気持ちもあり、抽象的な答えや、教科書的な答えが返ってくるかもしれません。

ですが、ここは理念を大切にする福祉の世界では大事な部分となりますので、(抽象的な答えについては)「具体的にはどういったことでしょうか?」と回答を深掘りするようにしましょう。

ここは大事な所ですので、しっかりと時間をかけて構いません。

とにかく、お互いの考えを本音で話し、「語り合う」といった状況が理想です。

くり返しになりますが、ここで本音を語り合うためにも、面接の序盤で「面接官が熱く語る事」が重要になってきます。

面接官が序盤に自己開示をしっかりして、熱く思いを語るからこそ、応募者も本気で自身の夢やビジョンを話してくれるんです。

そう言った意味でも、面接は組織のトップが関わった方が、良いです。

なぜなら、面接こそ、自身と同じビジョンの人間を採れるチャンスだからです。

なお、所要時間は10分が目途ですが、ここはヒートアップしても構わないパートとなります。

⑧履歴書・職務経歴書で気になった点を確認

履歴書や職務経歴書を見て気になった点について確認しましょう。

具体的には、「長いブランクがあったら何をしていたのか」「転職回数が多い場合はどういった経緯があるのか」といった点等について確認するようにしましょう。

もっとも、福祉業界では、転職回数が5回以上の応募者なども多いかもしれません。

その際、転職の全てにツッコミをいれていると、相手によっては、「圧迫された」と感じ、悪評をたてられる可能性もあります。

ですので、そういった場合は「直近の転職の経緯だけ聞く」といった対応を取り、しゃくし定規に「転職回数が多いからダメ」といった対応を取るのではなく、温和にコミュニケーションをとりながら、「採用側として納得できるかどうか」を検討していきましょう。

なお、あまりここが長いと圧迫面接的になってくるので、所要時間は5分くらいにとどめましょう。

⑨(通過させたい応募者について)ビジョンを共有

この話は「面接を合格させよう」と思った応募者についてのみ、やり取りをするフェーズになります。

ちなみに、ここが面接の最終段階となります。

面接の最後に、改めて応募者の夢やビジョンの話をもちだしてください。

そして、「うちなら、〇〇さんの××といったビジョンの実現を目指せる環境があります。ぜひ一緒にその目標にむかってがんばりましょう!」と熱く言い切りましょう

ポイントは、「熱く語って、断定する形で言い切る」という点になります。

なぜなら、自社の理念と応募者の目標に共通点があり、同じ方向を向いていると判断できたのであれば、そこを最終盤に明確にすることで、応募者に「この会社いいな!ここでがんばりたいな!」と思わせることができるからです。

ちなみに、「人間は一番盛り上がった時と最後しか覚えていない」というピークエンドの法則というものが、心理学にあります。

だからこそ、面接の最終盤に、応募者の夢を改めてクローズアップし、「自社で一緒にがんばってほしい!」と口説く事は、応募者心理的にとても重要になってくるんです。

以上が「応募者をファンにする面接の流れ」となります。

全部で大体60分くらいになります。

面接1回でその場で内定をだすのはNG!別日に条件面談を行う

中小企業の場合、「1回の面接で、その場で社長が内定をだし、いつから来れる?と聞いてしまう」といったケースはよく聞きます。

ですが、これは辞めたほうがよいでしょう。

もし1回だけの面接で選考する場合でも、必ず別日条件面談(面談と違い選考が目的ではない、給料や待遇などの条件を相談する場)を行ったほうが良いです。

なぜなら、その方が結果的に人材の定着につながるからです。

というのも、応募者にもご家族など相談したい相手がいるため、奥さんに「こういう事は確認したの?」等、家庭で言われる可能性があります。

にもかかわらず、社長と求職者だけで「ではお願いします。〇日から来れます」みたいに話を勝手に進めてしまうと、後々、家族の不信感を生み、その後の関係性に支障がでかねないからです。

ですので、ここは焦らずに、「もう1回は会うんだな」という気持ちでどっしり構え、「社長面談は合格ですので、後日、条件面談を行います。ご家庭でゆっくり話してみてください」とアナウンスするのが良いでしょう。

面接1回の場合は面接前後に案内役の社員が求職者をフォローする

面接を1回ですます場合は、案内役のスタッフが面接前後に求職者をフォローするようにしましょう。

具体的には、まず面接に「社長は、こういう性格ですよ」とか「こういう事聞いちゃったらごめんなさいね」と軽く予防線をはっておきましょう。

そして、面接には、面接の感想などを聞いてみてガス抜きをしましょう。なぜなら、面接後の緊張がゆるんでるタイミングに話を聞いてあげることで、多少圧迫面接ぎみになってしまっていたとしても、ガス抜きとなり、悪印象をリカバリーできるからです。

面接を2回にわけて行う場合

面接を2回に分けて行う場合は、1回目に社長面談を組みましょう。

なぜなら、同時期に面談しているであろう競合が社長面談をしている場合、こっちも社長面談をしてトップの本気を見せておかないと、ライバルに人材を採られてしまう可能性があるからです。

ですので、面接を2回行う場合は、①社長(代表)面接、②現場のトップ面接(代表が児発管などの現場トップも兼ねている場合は、一番中心となっているスタッフ)の組み合わせで行うと良いでしょう。

ちなみに、面接2回でいく場合は、求職者の利便性も考慮し、2回目の面談の日に条件面談もセットで行うようにしましょう。つまり、2回目の面談の際に、「これで選考は終わります。ここからは給料などの条件面談をさせていただきますね」と切り替える形で進めましょう。

東証1部上場企業もやっている!面接後のフォロー方法

面接後、「ではお疲れさまでしたー」と応募者を帰していませんか?

それはもったいないことです。

なぜなら、面接者の本音が聞けるタイミングが、面接直後だからです。

というのも、面接直後は、応募者も緊張がとぎれ、じょう舌になっており、色んな感想を話したい状態になっているからです。

だからこそ、面接官以外のスタッフ(最初に案内したスタッフ)に応募者の見送りをさせ、その際、「面接どうでした?」と聞かせるようにしましょう。

そうすると、肌感覚ではありますが、「本当に来てくれるかな?脈があるかな?」といった所が感じ取れるものです(そういった意味では、洞察力が高いスタッフをアテンド役にしたほうが良いでしょう)。

また、面接官(とくに社長)が圧迫面接キャラの場合、「社長は口下手なので、ちょっとものの言い方はキツイ時があるんですけど、親分肌で優しいんですよ」とフォローを入れておくだけでも、「あそこはパワハラ事業所だ」といった口コミを防止する事ができます。

くり返しになりますが、応募者を不採用にするにしても、変な評判がたつと今後の求人や、利用者集めに支障がでます。ですので、「応募者には自社のファンになって気持ちよく帰ってもらう」というスタンスで接するのが大事です。

とくに、福祉業界は、横のつながりもあり、狭い業界ですので、変な評判がたたないよう、きっちりファン化面接に取組みましょう。

結果を伝えるタイミングと見送る際の気配り

選考結果は、できる限り早く伝えましょう。

なぜなら、求職者側の視点とすると、ダラダラ1週間、2週間と待たされるのはストレスですし、他に申し込む妨げとなるからです。

ですので、「どう長くても1週間以内。出来る限り早く」といったスタンスで選考結果を伝えるようにしましょう。

そして、お断りをする際こそ、しっかりと丁寧な対応を心がけましょう。

なぜなら、そうしておかないと、「あの事業所は・・・」と応募者に悪評をたてられる可能性が高まるからです。

ですので、履歴書に一言お礼状をそえる等誠意をもって対応するようにしましょう。

逆に、合格してる場合は、内定の問題が関わってきますので、法律的なケアが必要になります(次章で説明します)。

まとめ

【面接は異常な空間・応募者にとってはアウェー空間】

→面接官もマナーをわきまえた服装で、しっかりと自己開示する。そうすることで、応募者との相互理解が進み、自社にフィットするかが判断できる

【圧迫面接はNG・ファン化面接を心掛ける】

→面接は必ず口コミされる。なので、圧迫面接をして悪評がつくとその後の求人や利用者の募集に差し支える。なので、見送る応募者に対しても「この会社っていいな」って思ってもらえるようにするのが大事。

【面接には型がある。しっかりと面接官も準備をするべき】

→面接官がしっかりと自己開示し、思いを熱く語ることで、応募者も本音でビジョンを語ってくれる。この過程を経ることで、お互いのビジョンのすり合わせができ、雇用のミスマッチを防ぐことができる。

【面接1回で内定をだすのはNG】 →面接は出来る限り2回やるべき。もし1回ですます場合は、面接前後に案内役にフォローをさせ、条件面談は別日に設ける。