【人材が定着する育成方法】内発的動機付けを喚起するためのポイント

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岡本 健太

岡本 健太

県庁出身の行政書士・採用定着士。児童発達支援事業所利用者の保護者でもある。福祉の採用定着問題を解決し、「利用者の満足度アップ」「スタッフの待遇の向上・福祉の質の向上」「経営の黒字化」という福祉版「三方良し」を達成する事がミッション。著書に、中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本(セルバ出版)がある。

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人材が定着する育成の方法

こんにちは!岡本です。

今日は、

【人材が定着する育成の方法】
についてお伝えします。

前回は、

  • やる気の重要性
  • 更に重要なやる気の理由
  • 社内での内発的動機付けの必要性

について解説しました。

今回はより具体的に、
内発的動機付けの喚起に着目した
定着人材の育成方法についてお伝えします。

この記事を最後まで読んでもらえれば、
人材定着化の秘策がわかりますよ!

制度を整えたのに定着しない理由

意欲を加味した評価制度を整えても
なんだか成果が感じられない…
そんな声をよくお聞きします。

環境整備は済んでいるのに
どうにも定着化が進まない。

なぜでしょうか?

多くの場合、適切な目標設定や
それを達成する方法などには
力を入れて制度設計がなされています。

ですが、
「自社で働く意欲を生み出すこと」に
フォーカスできているでしょうか。

目標設定を通じて
自社で働くことに意義が見出せなければ
内発的動機は形成されません。

目標を定めてがんばる、
それが適切に評価される、
といった事だけならば他社でもできます。

制度の導入については、
あくまでも「自社用に練る」ことが重要で、
ひな形に準じてもあまり効果はないのです。

今からお伝えするポイントを
制度に取り入れていただければ、
きっと上手くいきますよ!

育成の具体的なステップ

内発的動機、
つまり「仕事満足度」を高めるためには
何が必要なのでしょうか。

最初に厳しいことを申し上げますが、
内発的動機付けを会社の意図通りに
形成するのは非常に難しいことです。

なぜなら、
最終的には本人の意思によってのみ
形成されるものだからです。

前回、内発的動機付けは
外発的動機付けを入口として段階的に
誘導するのが効果的だとお伝えしました。

同じように、
内発的動機付けについても
ステップを踏んでもらいましょう。

そうです、あなたもよくご存知の
「マズローの法則」ですね。

適度なハードルの仕事を与えて、
インセンティブを支給する。
できればチームワークが良いでしょう。

ここまでは五段階欲求説の2段階目、
外的欲求のステージであり、
外発的動機付けですね。

そして仕事を進める中で、
チームから刺激を受けたり、
褒められたりして少し興味が出てくる。

こうなってくると
五段階欲求説の4段階目まで、
内的要求=内発的動機付けの発生です。

最終段階では「自己実現の欲求」が発生し、
社員は自ら進んで
成長への道を歩み始めます。

無理な内発的動機付けの要求ではなく、
少しずつ段階を踏んでもらって
自発的に形成される環境を整えましょう。

内発的動機付けに必要な要素

内発的動機付けができている働き方とは、
自分自身の内面に沸き起こった興味や関心が
仕事の動機になっている状態のことです。

こうした働き方をしている社員は、
仕事満足度の高い人材ということですね。

内発的動機付けには
「有能感」と「自己決定感」が
強く影響します。

指導育成にあたっては
この感覚が養われているかを
常に意識してください。

有能感については、仕事を進める中で
「能力を発揮できている」という感覚
を持ってもらえると良いでしょう。

本人の適性をよく見てあげて、
力を伸ばせる部署に配置してあげてください。

向いていないことを無理にやらせると、
いつまでも有能感を得ることができません。

また、
小さな成功体験の積み重ねも
有能感を得るのに有効です。

ちょうど良いハードルを用意してあげて、
問題を解決する経験を積ませましょう。

「挑戦欲求」も満たすことができ、
「好奇心」にもつながりやすいので
問題解決による育成はオススメです。

自己決定感の形成には、
「自分で目的を定めて立案実行している」
という感覚が必要です。

指示ばかりではなく、
「自分がやりたいからやっている」
と思わせる環境を作ってあげてください。

自分で決めた目標を達成することは
その過程においても満足度が高く、
自己承認欲求に対して非常に効果的です。

上手くできたら適切に評価してあげて、
「報酬」という外発的動機付けも
同時に高めてあげましょう。

チームワークで「居場所」を作る

プロジェクトなどの
「チームで達成する仕事」を経験することも
人材の定着化に有効です。

自分だけの力で結果を出さなくて良いので、
目標が達成しやすく有能感を獲得しやすい
というメリットがあります。

また、
チームは「小さな会社」とも言えるので、
上手く回れば所属意識を高めてくれます。

チームワークによる成功体験は、

「ここは自分の居場所だ」
「みんなと一緒に仕事を続けたい」

という内発的動機を呼び起こし、
「この会社で働きたい」
という意欲につながりやすくなります。

注意したい「アンダーマイニング効果」

内発的動機付けが形成されても、
外発的動機付けとのバランスには
常に気を配ってください。

いくら自発的な理由で働いていても、
仕事である以上は、「報酬」が生まれます。

仕事満足度が高く意欲的な社員であれば、
「報酬」はどんどん上がっていくでしょう。

好きでやっていたはずの仕事なのに、
いつのまにか「上がっていくお給料」
つまり「報酬」が目的になってしまっている…。

それが「アンダーマイニング効果」です。

モチベーションが湧きおこる動機が
すり替わってしまわないように、
仕事の取り組み方に注視を続けてください。

定期的に1on1ミーティングを実施して、
内発的動機付けを意識してもらい、
見失わないよう誘導すると良いでしょう。

定着化でいちばん大切なこと

今回は、
定着人材育成のポイントである、
内発的動機付けについてお伝えしてきました。

納得感を持って働き続けてもらうため、
評価制度や報酬体系、働く環境について
見直すことはとても大切なことです。

しかし、
仕組みの見直しには限界があります。

誰に対しても
個別具体的な納得感を与えることは
不可能に近いからです。

だからこそ、
社員の内発的動機付けを形成し、
促進する環境が重要なのです。

あくまでも「自社で働く」ことに
やりがいを見出し、
やる気をもって良い仕事をしてもらう。

それこそが、
人材の定着化と企業の発展につながります。