【マネジメントの基本】「仕事の位置づけ」を伝えて意欲を継続させる

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岡本 健太

岡本 健太

県庁出身の行政書士・採用定着士。児童発達支援事業所利用者の保護者でもある。福祉の採用定着問題を解決し、「利用者の満足度アップ」「スタッフの待遇の向上・福祉の質の向上」「経営の黒字化」という福祉版「三方良し」を達成する事がミッション。著書に、中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本(セルバ出版)がある。

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「仕事の位置づけ」を伝えて意欲を継続させる

こんにちは!岡本です。

今日は、

「意欲を継続させるマネジメント」
の続きをお伝えします。

意欲を継続させるマネジメントの基本的な考え方は、意欲を継続させるためには
「目標の難易度調整」が大切であることを説明しました。

今回は、意欲を継続するために有効な
難易度の調整以外の方法を説明します。

最後まで読んでいただき、
採用活動に取り入れてみてくださいね。

仕事の位置づけをちゃんと伝えよう

「意欲」を継続するために難易度以外で意識することは、
仕事の位置づけを伝えてあげることです。

あまり業務経験のない部下に仕事を指示するときに、
やってほしいことだけを伝えている場合がありませんか?

確かに、
余計なことをいろいろと伝えてもよく理解してもらえないことが多いですし、
混乱の元になる場合もあります。

しかし、
意欲を継続させるためには、指示した仕事を進めるのに直接関係なくても、
伝えておくべき情報があります。

それが「その仕事の位置づけ」です。

仕事の位置づけとは、例えば、
「その仕事が会社全体の事業の中で、どのような意味があるのか」
といったことです。

これらを伝えずに目の前の仕事だけをしている状況では、
自分がやっている仕事が何の役に立つのかわからず、
会社のただの歯車になっているように感じてしまいます。

人は、
「自分が役に立っている」と感じると意欲が増します。

役に立っているという状況をどのように認識するかは
人によって異なりますが、「仕事の位置づけを理解すること」は
役に立っていることを確認するためにとても有効です。

仕事の位置づけとしては、大きく2種類の考え方があります。

①事業全体に対する役割

会社や事業全体の流れの中での役割です。
その仕事が、全体の事業に対し意味のある仕事であることを
理解してもらうように努めましょう。

②やるべき背景や有意義性

自分がやっている仕事が「どのように役に立っているのか」という点です。

サービス業であれば、
今取り組んでいる仕事はお客さんにとってどのような役割があるのか、
お客さんがそのサービスに触れたときにどのような反応をしているのか、
といったことを理解してもらうように努めましょう。

これらの情報を理解できていれば、
今取り組んでいる仕事で、例えば、単調な資料つくりが続いていても、
その作業がどのような役割があるか、理解できるため、意欲の維持がしやすいです。

ここが抜けていると、「本当はお客さんに喜ばれる仕事をしたいのに、
よくわからない作業をすることを強いられている」といった感情に繋がります。

仕事の位置づけを理解する方法

では、そのような「仕事の位置づけ」を確認し、
理解してもらうためにはどのような手段をとれば良いでしょうか。
具体的な方法を説明します。

一つ目の「事業全体に対する役割」は、
事業全体のフローチャートを作成し、全体を俯瞰的に視覚化する方法が有効です。

そのような方法で仕事全体を確認してもらうと、
与えられた仕事がその中でどのような役割をもっているのかを
理解することができます。

また、
時間的な流れの中での自分の仕事の位置づけを確認する方法もあります。

例えば、以下のように考えます。

  • 現在やっている仕事は、2年後にAの仕事をするために必要な経験である
  • 2年後にAの仕事をすることで、4年後には役職が付き、もっと大口顧客相手の仕事ができるようになる。
  • 大口顧客相手の仕事をすると、▲▲の資格を取得するのにつながる
  • ▲▲の資格を取得すると、チームを率いて仕事をすることができる

このような時間的な流れを認識しながら仕事に向き合うと、
今の仕事が将来の別の仕事に繋がっていると理解することができます。

時間的な流れを認識するためには、
将来の自分がどうなっているかをイメージすることが大切です。

将来の自分がどうなっているかをイメージするためには、
会社の重要な意思決定の場面に触れることも効果があります。

可能であれば、
会社の重要な決定事項にかかわる会議や打ち合わせに参加し、
議事録作成を担当させたり、社長や重要人物と行動を共にして、
どのような意思決定をしているかに触れる機会を与えると、
将来の会社や自分がどうなっているかを、だんだんとみえてくるでしょう。

二つ目の「どのように役に立っているのか」については、
自分の仕事が、関連する人にどのように影響を与え、
どのような影響を受けているのかを理解させる方法が有効です。

一つ目の位置づけと異なるのは、
自分1人だけで理解できる方法では無いことです。

自分が役に立っているかは、
他の人との関係性の中で把握することができる情報です。

そのため、
実際に自分の仕事と関連する人の様子に触れて確認する必要があります。

その人に自分がどのように影響を与えているかを確認することが、
意欲につながります。

お客さんと接する機会がある仕事であれば、お客さんの様子に触れることで、
自分がどのように影響を与えているのかを確認するのは容易かもしれません。

しかし、管理部門や事業の上流部の仕事であれば、
その仕事に関連する人の様子を伺うことのは難しい場合が多いかもしれません。

そのような場合は、
自分の仕事の上流部、下流部にあたる人たちと接点を持たせ、
意見交換などの機会を設けましょう。

自分がした仕事が、
その後に引き継ぐ人たちにどのように影響を与えているのか、
逆に、どのような仕事を経て、自分の仕事ができているのか、
といったことを知ることができる機会を作ります。

仕事や課題を与えられ、人の役に立っているからとにかく頑張れ、
といわれても意欲をもって仕事を続けていくのは難しいものです。

まとめ

以上が、
「意欲を継続させるマネジメント」でした。

社員が定着し成長を続けてもらうためには、
「意欲」を持ち仕事に向かい合ってくれることが大切です。

そのためには、程よい難易度の目標を与え、
継続的に観察し、必要に応じて柔軟に目標の変更などを
行う必要があります。

また、難易度の調整を行う以外にも、
「仕事の位置づけを理解することの大切さ」を伝えることも重要です。

何のために今の仕事をしているのかを理解できなければ、
ただの歯車として使われているだけのように感じてしまいます。
その結果、仕事への意欲を失ってしまい、
退職してしまう結果になる可能性があります。

社員には成長しながら長く定着してもらいたいものですよね。

今回説明した内容を、
無理のない範囲で実施していただくことで、
お役に立てましたら嬉しく思います!