【2022年版】福祉・介護職員処遇改善加算のキャリアパス要件とは？

福祉・介護職員処遇改善加算のキャリアパス要件とは？

職員の職務内容やその賃金の明確化、資質向上のための研修の実施、昇給基準の明確化などが要件となっています。

要件の該当状況は算定できる福祉・介護職員処遇改善加算の区分に影響を与えます。

キャリアパス要件と福祉・介護職員処遇改善加算の区分の関係

キャリアパス要件には3つの区分があり、満たしている区分の組み合わせにより算定できる区分が変化します。

福祉・介護職員処遇改善加算Ⅰ

キャリアパス要件Ⅰ～Ⅲのすべてを満たしている

福祉・介護職員処遇改善加算Ⅱ

キャリアパス要件ⅠとⅡを満たしている

福祉・介護職員処遇改善加算Ⅲ

キャリアパス要件ⅠもしくはⅡを満たしている

なお、経過措置として新規で算定することができない福祉・介護職員処遇改善加算Ⅳではキャリアパス要件ⅠもしくはⅡを満たしていること、福祉・介護職員処遇改善加算Ⅴはキャリアパス要件が必要ありません。

要件

各区分の要件は以下の通りです。

キャリアパス要件Ⅰ

職務内容等に応じた任用要件と賃金体系の整備を行っていること

事業所で働く職員の職業ごとにどのような職務を行いどのような能力が必要なのか、その職務に就いた場合には賃金がどのようになるのかを定めます。

具体的には「各職種が担当する職務内容」、「各職種に必要となる能力」、「各職員の賃金体系」を定めていることが必要です。

また、これらの内容を全ての福祉・介護職員へ周知している必要があります。

キャリアパス要件Ⅱ

職員の資質向上のための計画を策定し研修を実施するか機会を設けている

職員のキャリアパスのために事業所が職員の資質向上のための目標や計画を策定し、その計画の達成に向けて研修の実施やその機会を確保したり、資質向上のため措置を実施したりします。

資質向上のための目標とは例えば「資格（介護福祉士、社会福祉士など）の取得率向上」などで、その達成のための措置とは「研修受講のためのシフト調整や試験の受験料補助など」が該当します。

また、これらの内容を全ての福祉・介護職員へ周知している必要があります。

キャリアパス要件Ⅲ

経験や資格など一定の基準に基づき昇給する仕組みを設けている

経験や資格、一定の基準によって昇給する仕組みを設けることが要件となっています。区分Ⅰでは職務や必要な能力を明確にして、それに応じた賃金体系を定めることが求められていますが、区分Ⅲでは各職員がどのように昇給するのかを定めることが求められています。

また、これらの内容を全ての福祉・介護職員へ周知している必要があります。

以下のような基準が昇給する基準として認められます。

①経験
勤続年数に応じて昇給するなど経験によって昇給が行われる

②資格
介護福祉士や社会福祉士等を取得することで昇給するなど所有する資格によって昇給が行われる

③評価
人事考課規定を作成し、A評価を得たら昇給など評価によって昇給が行われる

よくある質問（Q＆A）

計画書に記載する必要があるキャリアパスに関する内容を教えてください。

主に該当する実施項目などについてのチェック欄を埋めていく内容となっています。

区分Ⅱに関連する取り組み内容については具体的な内容を記載することが必要です。

「職員の資質向上のための計画」とはどのような内容にする必要がありますか？

具体的な基準は設けられていません。

「利用者への接し方」や「事故発生時の対応」など具体的な項目についてスケジュールを定めて研修を行うなど具体的な計画や目標を定めることが求められています。

なお、厚生労働省の資料では以下のような目標が想定されています。

① 利用者のニーズに応じた良質なサービスを提供するために、福祉・介護職員が技術・能力（例：介護技術、コミュニケーション能力、協調性、問題解決能力、マネジメント能力等）の向上に努めること。

② 事業所全体での資格等（例：介護福祉士、介護職員基礎研修、居宅介護従事者養成研修等）の取得率向上